アルテマター
マイニング

日本におけるマイニングと電気代

マイニングをするには多大な電気代がかかります。日本の一般家庭でマイニングを行った場合、地域にもよりますが電気をたくさん使った場合のコストは一単位(kWh)あたり28円くらいになりますから、2019年11月の現状ではGPUマイニングによるEthereumでは、一番効率の良いGPUを選んだとしても収益の90%以上が電気代に消えてしまう計算になります。最も、日本の電力会社の電気代は、たいてい累進制ですから、ほんの少しだけマイニングをすることによって何とか利益を出す、という作戦もあり得るかもしれません。

海外の電気事情

海外ではどうでしょうか?アイスランドは電気代が安い国として有名で、コンピュータは発熱したら冷やす必要性もあることからIT大手企業がサーバーなどを置くデータセンタをたくさん作っていることでも愛られています。マイニングも盛んにおこなわれている模様です。

アメリカは州によって電気代が異なります。山間地域では水力発電を利用して電気を安く作れるため、電気代が安い傾向にあります。アメリカは電力自由化が進んでいるためどこの電力会社と契約するかによっても異なりますが、例えばアイダホ州などでは一単位(kWh)あたり5円くらいでも電気を使うことができる場合があるようです。

では日本の太陽光は

太陽光の業界では比較的評判の良いタイナビのサイトのあるページからデータを引っ張ってきます。144万円のソーラーシステムで年間に発電できる量が経年劣化を含め6844kWhということのようですから、順調に20年発電できたとして1440000/(6844×20)で約10.52円という計算になります。20年間の間にメンテナンスなども必要であろうことから、日本でのマイニングは太陽光を使ったとしても、海外と比較して現状コスト的にかなり厳しいといえそうです。なお、ソーラーシステムの価格のうち人件費が占める割合は結構高く、日本のソーラーシステムが海外と比較して高い原因も日本の高い人件費にあるとも考えられます。今後も太陽光発電を新設してのマイニングは厳しい時期が続くかもしれません。

一方、電力会社にとって太陽光発電からの電気を買い取るのは技術的に難しい側面もあるようで、今後ますます太陽光は自家消費型になってゆくと思われます。そういった意味で、マイニングは売電が終わったソーラーシステムの出口戦略としては悪くないかもしれない、という見方ならできるかもしれません。また、売電が終わったソーラーシステムを持っておられる方はマイニングに取り組む貴重なチケットを持っているとも言えそうです。

2020年4月現在、一般の家電量販店などでも、卒FITソーラーシステムに向けた蓄電池の割引販売を行っているのを目にするようになりました。これも太陽光マイニングを考えている方にとって好材料と言えそうです。

さらにポジティブな話としては、日本と海外では治安状態や電気の品質なども異なってくるため、一概に日本でのマイニングは駄目だとばかり言い切れるわけでもないかと思われます。

卒FITとマイニングの厳しい現実

上記のように書いていたのですが、実際にFIT売電が終了しそうなソーラーシステムを持っている方にお会いしてみると、厳しい現実もわかってきました。というのも10年前に太陽光発電を始めた方にとっては、当たり前とまでは言わなくとも電気は単位(kWh)当たり40円以上で売れるもの、という感覚があり、考えてみれは当然のことなのですが、これからはFITでは売れないのだから安く使わせてください、という話を持っていったのでは面白いはずがありません。アルテマターはそのような営業の方向性を目指していたのですが、今後方向転換せざるを得ないかもしれません。とはいえ当サイトでは12円/kWhより高く電気を買い取ってくれる業者は把握しておりませんので、卒FIT案件を抱える方にとってもこれは厳しい現実なのだと推察します。

夜の太陽光マイニング

太陽光発電は夜はできませんので、夜もマイニングしようと思えば蓄電池も必要になる、という現実もあります。

太陽光マイニングの将来性

卒FITを迎えるソーラーシステムはこれからどんどん出てくることが確実で、蓄電池もスケールメリットで安くなって行くことが予想されます。2019年12月現在、仮想通貨の価格上昇などもありマイニングの利益率が改善してきてもおり、今マイニングのノウハウを蓄積しておくことで今後大きなチャンスがあると、当サイト運営では見込んでいます。

ベランダマイニングの話題

ベランダマイニングという言葉は、ソーラーパネルだけを買って太陽光発電システムをDIYで自作してマイニングする、ということを指すほか、単にマイニングマシンが熱を発するので屋外に出して冷やすことをさす場合もあるようです。ベランダマイニングはマイニング愛好家の間でちょっとしたブームになっている模様です。

太陽光以外の日本でのコストの抑え方

規模の大きなマイニングファームでは高圧電力などを利用してコストを抑えているようです。個人レベルでのマイニングなら、地域差もあるようですが、ガスを使った自家発電の「エネファーム」が、かなり電気を安めに使える選択肢となってくる様です。本来お湯を沸かすついでに発電もするものなので、お湯という副産物が生まれるわけですが、お湯も何か別の用途に有効に活用することができるならば、地域によってはかなり有力なマイニング電力の供給源となりそうです。
ちなみに前述したようにマイニングマシンは冷却する必要があるのですが、世の中にはお湯の力を使って逆にものを冷やすボイラ技術というのがあるとか。ベランダマイニングに実際に挑戦してみたという話題は少し検索すればあちこちに見つかりますが、ボイラ冷却にチャレンジした例は見たことがありませんので、先駆者となるチャンスかもしれません。
マイニングに協力的な電力小売り事業者としては「ループでんき」があり、マイニングフラットという、マイニング向けの料金プランも用意されていますが、1kWhあたりの料金は22.4円と、2019年11月現在マイニングを黒字化するにはやや苦しい料金設定に思えます。