GPUはPCでゲームをする人などにはなじみ深いものでしょう。マイニングには高い計算能力をもつ機材が必要ですが、そうしたマイニング機材の中で、最も世間一般で知られている機器となります。正確にはもっと一般的なPCパーツであるCPUでもマイニングはできますが、2019年11月現在まともな利益は期待できないと思われます。そもそものビットコインから始まった仮想通貨の理想としては、マイニングは一般性の高い計算機材(CPU)で平等に分散して行われるのが本筋であり、一般的でないASICのような機材でのマイニングを排除する多くの試みが、仮想通貨開発者たちによって為されましたが、CPUでマイニングが安定的に黒字となる仮想通貨はなかなか登場する気配がありません。
GPUはASICと違って汎用性がありますから、他の用途に転用できるので、マイニングによる利益が見込めなくなっても、売却してある程度は資金を回収することもできます。とはいっても一般の中古PCショップで買い取ってもらうのでは二束三文の金額となりますから、他に売却や転用するルートがなければあまりあてにはできません。
特に第一次仮想通貨ブームとも呼ぶべき時期のマイニング全盛期、ASICはGPUに比べて比べて急激に性能が進化する傾向があったようです。そのためASICは機材の価格がクリティカルだったのに対し、GPUでのマイニングは機材の価格よりも電気代、つまり消費電力の利益に対する影響が特にシビアになる、と言えそうです。
GPUマイニングに必要な機材はマイニング専用にセッティングして売られていることは少ないので、組み立ての手間などがかかることがマイニングする側にとっては大きな問題です。その他、前述のようにマイニング専用の機器ではないため、突発的なマイニングブームが起こると、ゲーム業界などに思わぬ影響が出て迷惑がられたりすることも、道義的な観点からは問題点として上げておいた方がよさそうです。
一般にGPUのオーバークロックは、故障や最悪の場合火災などのリスクも高くなるとされ、メーカーで推奨されていませんし、当サイトでも推奨するものではありません。しかし敢えて情報を流すならば、メモリのオーバークロックが有効であるとの噂を耳にしたことがあります。
英語のサイトになりますが、Nicehash profitability calculatorなどでシミュレーションすることができます。過去にRX470という型番のGPUが最も効率よくマイニングができる機種だった時期がありますが、その時はマイニングに特化した専用モデルが作られるなど、ちょっとしたブームが起きました。マイニングブームが去った2019年11月時点でも、当時効率が良かったモデルは密かな品薄状態にあるようにも感じられました。
2020年4月頃は、HBM2のメモリが使われていてマイニング以外の用途でも性能の良いAMD Radeon™ VIIが優勢でした。2021年8月現在、つい最近までは何といってもRTX3000シリーズが優勢で、特にEthereumで効率が高い3060Tiがベストでした。しかしNVIDIA社によってLHRと呼ばれるマイニング性能の制限がかかったり、Ethereumのアップデートにより、噂されていたほどの大きな影響ではなかったもののEthereumのマイニング報酬が減額されたり、GPUマイニングには逆風も吹いています。CMP HXと呼ばれるマイニング専用のプロセッサも、どうやら少なくとも日本では、未だに入手が極めて困難なようです。強いて言えば、現時点で一般的なユーザーに現実的に購入可能なGPUの中で最高性能を誇るRTX3090がやはりおススメできるかもしれませんが、GPU投資はあくまで自己責任ということでお願いします。リンク先は2020年5月15日時点の情報です。
なお、事前に大きく騒がれることはありませんでしたが、AMDからも2020年5月13日に当時最新のGPU「Radeon Pro VII」の発表があったようです。
メーカーや代理店には嫌がられますがマイニング機材の転売などで利益を上げるパターンもあります。